Kaoka エクアドル

サステナブルな高品質カカオ栽培そして森林破壊ゼロを目指すための897万ユーロ

3年間の活動を経て、ペルー、コロンビア、エクアドルのカカオ生産地における、生態系の保全と再生、生物多様性の保護、アグロエコロジーの推進を目的とした国際的な官民パートナーシップの発起人および共同署名者になることを誇りに思います。

foret amazonienne

 

「この30年間、私たちは生産者と共に歩み、強固で永続的なパートナーシップを築いてきました。生態系を守りながら、持続可能な技術を用い、フェアな精神で高品質のカカオを生産することが、わたしたちの共通の願いでした。

しかし今日、原生林の破壊が加速しており、この現象が生物多様性に及ぼす影響は極めて深刻であることが明らかになっています。再植林が約束されれば十分と思う人々がいる一方で、私たちはこの「tree-washing(木の浄化)」に賛同せず、これら原生林とその生態系の保全と回復が急務だと考えています。

この問題の規模や、生態系、経済的、社会的な複雑さを考えると、私たちのような家族経営の中小企業にとって、国際的な専門家のパートナーと力を合わせることが不可欠でした。そこで私たちは、Bioversity-CIAT(国際植物遺伝資源研究所と国際熱帯農業センターのアライアンス)、ICRAF(国際アグロフォレストリー研究センター)、コンサベーション・インターナショナル(コロンビアのNGO)、および3つの生産者組合との独自のパートナーシップを締結することしました。この協力関係において、各分野の専門家であるパートナーは、特定のスキルや専門知識を提供します。

官民協力の模範的な例であるこのプロジェクトは、私たちが先導していく実験的な取組みとなります。気候変動の抑制に不可欠な固有の森林生態系の保護と土壌の炭素貯留の促進のため、私たちはこの革新的なプロジェクトの有効性とその再現性を証明するつもりです。

KAOKAとFFEM(フランスの地球環境基金)が共同出資したこの897万ユーロのプロジェクトは、「輸入森林破壊と戦う国家戦略(SNDI)」と完全に一致しています。森林破壊の原因となる森林産物や農産物の輸入停止を目指すこの戦略には、もちろんカカオも含まれます。カカオ生産地の存続と生産者パートナーの未来のために、私たちは今日、あらためて宣誓します。」

KAOKA社長 ギー・ドゥベール、KAOKA農園・品質管理責任者 セバスチャン・バルミス(KAOKA CSR責任者)

 


サステナブルな高品質カカオ栽培と森林破壊ゼロを目指す

地球環境に配慮したオーガニック・フェアトレードチョコレートを専門とするフランスの家族経営企業KAOKAにとって、卓越したサステナビリティと地球環境保護は単なる言葉ではなく、わたしたちの信念をあらわすものです。約30年前の創業以来、この目標へのコミットメントが、私たちのすべての活動の指針となっています。現在、ペルー、コロンビア、エクアドルのカカオ生産地において、生態系の保全と再生、アグロエコロジーの推進を目的とした意欲的なプロジェクトを開始し、KAOKA独自のアプローチに新たな一面を加えています。
目的を達成するため、CGIAR(国際農業研究協議会)の研究機関ネットワークメンバーであるCIAT*(国際熱帯農業センター)およびICRAF(国際アグロフォレストリー研究センター)、そして天然資源保護を専門とするコンサベーション・インターナショナル(コロンビアのNGO)、及びカカオ生産者組合と協力していきます。
2021年7月に開始されたこのプロジェクトには、FFEM(フランスの地球環境基金)、KAOKA、そしてプロジェクトのパートナーたちが共同出資しています。私たちは共に、これらの国々における森林破壊対策、土壌回復、生物多様性の保全、経済発展という特定の課題に対応した、持続可能なカカオプログラムの強化に寄与します。

このプロジェクトは、コロンビア、エクアドル、ペルーという国境を接する3カ国にとって、カカオが共通の歴史と文化・生物多様性の豊かさの象徴となり得る「カカオの素晴らしさ」を再認識させるものです。

*CIATは「国際植物遺伝資源研究所・国際熱帯農業センターのアライアンス」を代表して活動

 


897万ユーロのプロジェクトの目的

  • アグロフォレストリーの技術発展
  • 生態系のつながりの回復
  • 景観の保全
  • インフラ整備と生産者の技術向上
  • このプロジェクトは、エコロジー移行省の支援を受けています。

2021年7月に開始され、4年間継続するプロジェクトです。

 


プロジェクト関係者とその役割

プロジェクトの調整と技術支援

KAOKA、地球環境に配慮したオーガニックのアロマティックカカオに特化したフランスの中小企業

専門分野:カカオ生産地と味覚官能プロファイルに精通。
プロジェクトにおける役割:カカオの生産、加工、商品化に関して、さまざまな現場で専門知識を提供すること。KAOKAはプロジェクトの共同出資者となり、
活動の調整、モニタリング、実施のための技術的パートナーとみなされます。
KAOKAはBioversity-CIATと共同で運営委員会の委員長を務めます。

 

Bioversity-CIAT、生物多様性、気候変動、環境、栄養に関する研究のスペシャリスト

専門分野:栄養不良、気候変動、生物多様性の喪失、環境悪化といった世界的な危機に関する研究に基づく解決策を提供すること。またこのアライアンスは、気候危機に直面しても生命を維持し、繁栄を促進し、人々を養うために、エビデンスを生み出し、イノベーションを統合することによって、食糧システムと景観を変革しています。
プロジェクトにおける役割:在来種のマッピングと定義を行い、接ぎ木と苗床のためのエリートツリーを選定すること。CIATはFFEMと協定を結び、生産者組合への資金分配とプロジェクトの調整を担当します。
CIATはKAOKAと共同でプロジェクト運営委員会の委員長を務めます。

 

ICRAF(国際アグロフォレストリー研究センター)、アグロフォレストリー研究のスペシャリスト

専門分野:森林樹木の苗床の確立、アグロフォレストリーの特性評価と設計のための技術支援。
プロジェクトにおける役割:アグロフォレストリーに関する現地の人々の知識を評価するための参加型手法を設定し、彼らのニーズに応じて知識を発展させること。

 

活動

KAOKA基金(エクアドルのNGO)

専門分野:アグロフォレストリーの下での植林地の復活、森林破壊監視システムの管理、地元生産者との集団及び/または個別での保全協定の締結。
KAOKA基金は現地NGOで、FFEMから助成金を受け、KAOKAが支給するフェアトレード補助金を通じてプロジェクトに共同出資しています。
:同じ名前ですが、この組織はKAOKAから独立しています。

Biocacao(ペルーのNGO)

荒廃した土壌の回復とアグロフォレストリーによるアロマティックカカオの定着、地元生産者との集団及び/または個別での保全協定の締結、
森林破壊監視システムの管理。
Biocacaoは現地NGOで、FFEMから助成金を受け、KAOKAが支給するフェアトレード補助金を通じてプロジェクトに共同出資しています。

コンサベーション・インターナショナル(コロンビアのNGO)

環境保全と天然資源回復プログラム、アグロフォレストリーによるカカオの植樹、パートナー生産者との
集団及び/または個別での保全協定の締結、森林破壊モニタリングシステムの管理、高品質カカオ生産地の貿易協定推進。

 

プロジェクトに参加するカカオ生産者たち

 

ペルーのコルパ・デ・ロロス協同組合

エクアドルのパートナー協同組合

コロンビアのパートナー協同組合

このプロジェクトでは、新たな収益性の高い販路を確立することを目指します。

 

ファイナンシャルパートナー

FFEM(フランスの地球環境基金)

専門分野:発展途上国や新興国における環境保全と持続可能な経済・社会開発。
プロジェクトにおける役割:資金面でプロジェクトを支援

 

 


固有の生物多様性保全のためのサステナブルなカカオ栽培法の導入

中南米では、1990年代以降、耕作可能な土地を増やすために、アマゾン森林地域が破壊されてきました。この森林破壊は、地球温暖化の見地からも、生物多様性の観点からも、極めて重要かつ複雑な問題です。その結果、かつてないほどの土壌の荒廃、生物多様性の破壊、生産者の収入減を招いてしまっています。KAOKAの「アグロエコロジーによるカカオ農園再生プロジェクト」は、森林破壊を伴わずとも、収入の確保ができるサステナブルな方法で生産される優れたカカオの栽培を推進しています。

ペルー、コロンビア、エクアドルでは、憂慮すべき状況となっています。1990年代以降の農業用地の急激な拡大は、地域の森林生態系を破壊する
大きな原因の一つとなっています。元々コカを中心とした集約栽培方法と、大規模な畜産が行われていたため、農園主たちは新しい農地を求めて、伐採せざるを得ませんでした。
この現象は「開拓前線」と呼ばれ、森林破壊を大きく加速させました。
また、森林地帯の農地転換は、野生生物の生息地を分断し、生物多様性や生態系の破壊を招いています。
やせた土壌は生産性が低下し、基本的な食糧栽培を維持したり、地域住民の収入を十分に確保することができなくなっています。

KAOKAの「アグロエコロジーによるカカオ農園再生プロジェクト」は、これら諸問題全てに専門的かつ具体的な答えを与えてくれます。

 

生態系のつながり
エコロジカル・コネクティビティは、生態系のつながりを回復することで、動物や植物が循環できる空間の創造を目的としています。実際、生息地の消失とその断片化は、生物多様性がむしばまれる主な原因です。

 


固有の生物多様性を維持するための具体的な対応

アグロフォレストリーの技術発展

カカオ栽培にアグロフォレストリーを用いることで、投入資源を削減するだけでなく、食糧栽培(果樹、バナナ、コショウなど)や森林樹木とカカオを組み合わせることができます。これは、土壌の肥沃度を回復させながら、生産者に即時的・長期的な収入を保証する効果的な循環です。この原則は、森林を犠牲にした耕作地拡大を抑制し、カカオ農園の持続可能性を確保するものでもあります。本プロジェクトで提案するアグロフォレストリーは、
現地の生態系や生産者のニーズ、目的に応じて構想されます。

生態系のつながりの回復

森林破壊は、生物の生息域を変化させます。この問題は、生物多様性に富むペルーやコロンビアのアマゾン地域において顕著で、この地域はプロジェクトの対象となっています。生垣や木陰などを再整備することで、生物が森林地帯から別の場所へ移動する手段を提供し、自然な生活環境を再整備するのです。生態系のつながりを回復することは、過去の森林破壊によって損なわれた生物多様性の保全につながります。

インフラ整備と生産者の技術向上

このプロジェクトは、カカオの栽培から最終的な商品化まで、カカオのサプライチェーン全体の価値を高めることを目的としています。今回の技術支援により、生産者はカカオ豆を発酵・乾燥させる設備の拡張・改善ができるようになります。今後、KAOKAの支援を受けながら、発酵技術をより完璧にマスターするための研究を進めていく予定です。また、サステナブルな農業技術のスキル強化のためのトレーニングも行います。

景観の保全

原生林は大量の二酸化炭素を含んでおり、その破壊は温室効果ガスの大量排出につながり、気候変動を加速させます。

このプロジェクトの一環として、農業生産地の影響分析およびモニタリングのためのツールが導入される予定です。生産者と生産者組合は、保全協定を通じて、地域の森林を保護・有効活用し、農地拡大の抑制を約束します。
老朽化した農園をアグロフォレストリーを用いて回復することで、区画の収益性が高まり、作物の多様化、生産性の向上が期待できます。さらに、土壌の荒廃が激しい地域(かつての放牧地)を回復させ、耕作地として復活させます。

この2つの効果の組み合わせにより、カカオ栽培が森林破壊を拡大させることはありません。

 


戦略の差別化

アンデス地方では、カカオ栽培は経済的にも社会的にも大きな役割を担っています。
生産は主に中小の家族経営農家が担っており、数十万人が関わっています。
国内外市場からの需要に応じて、生産量は大幅に増加しています。しかし、ペルー、コロンビア、エクアドルでは、環境、社会、経済の問題が異なります。そのため、KAOKAが担うプロジェクトは、地域の課題に合わせたものとなっています。

ペルーのコルパ・デ・ロロス協同組合

現地特有の問題:

  • コカ栽培からの脱却
  • 周辺地域の脆弱な森林地域と生態系を保全する
  • 固有品種を特定し、その再生と価値の向上を図る

プロジェクトの目的

  • 200haの荒廃した土壌の回復
  • 回復土壌を利用したアグロフォレストリーによるアロマティックカカオの長期的な栽培
  • 集団または個別での保全協定締結
  • 地球環境に配慮したオーガニック・フェアトレードのカカオを生産するための品質開発
  • 森林破壊モニタリングシステムの管理

エクアドルのパートナー協同組合

現地特有の問題:

  • 森林保全への意欲
  • 生態系のつながりの回復
  • 老朽化したカカオ農園のリノベーション

プロジェクトの目的:

  • アグロフォレストリーを用いて300haの農地をリノベーション
  • 集団または個別での保全協定締結
  • カカオの発酵をマスターするための研究開発プログラムの実施
  • オーガニック・フェアトレードカカオを生産するための品質開発
  • 森林破壊モニタリングシステムの管理

コロンビアのNGOコンサベーション・インターナショナル

現地特有の問題

  • アロマティックカカオの開発
  • 生産者の所得向上のための輸出促進

プロジェクトの目的:

  • アグロフォレストリーを用いて100haの農地にカカオを植樹
  • 集団または個別での保全協定締結
  • 良質なカカオ産業の構築支援
  • 良質なカカオの販売促進
  • オーガニック・フェアトレードカカオの生産量向上
  • 森林破壊モニタリングシステムの管理

アグロフォレストリーの仕組み
カカオの木は、他の木の陰で自然に育ちます。そのため、アグロフォレストリーでは、果樹と森林樹木を一緒に植林しています。昔ながらの習慣は、生物多様性を高め、収量増加に適した基盤形成を促進します。遮光はマイクロクライメイト(微気候)をもたらし、乾燥や病気の発生を抑えます。同じ耕作地での生産を強化し、放牧などによって荒廃した土壌を回復させることで、森林が耕作地拡大の犠牲になることはありません。気候変動が進む中、アグロフォレストリーは温室効果ガスの排出抑制に寄与し、農園の持続可能性を確保するための土壌の回復に役立ちます。その導入により、生産者は収量を増やし、収入源を多様化することができます。

 


 

今後も、プロジェクトの進捗状況や活動をお届けします


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